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山梨県は太平洋プレート、フィリピン海プレート、北アメリカプレート、ユーラシアプレートの4つのプレートがぶつかり合い、古い日本列島と新しい日本列島が斜交する、世界でも希な地質構造をもつ極めて個性的な地域です。
だから、山梨県には、PH1.6の強酸性泉からPH10.6の強アルカリ性泉、ラジウム含有量世界一ともいわれているラジウム温泉まで極めて多様な温泉が、標高100m台から1400m地帯にまで分布しています。
20年前まで温泉がほとんどなかった富士山の北麓にも、山中湖村の「紅富士の湯」や富士吉田市の「赤富士の湯」、富士河口湖温泉郷などが誕生し、富士山を眺めながら温泉に浸かるという至福の悦びを与えてくれます。
また、甲府盆地を取り巻く高台にも甲州市の「天空の湯」、山梨市の「ほったらかし温泉」、甲斐市の「湯めみの丘」、市川三郷町の「みたまの湯」など、夜景を含む抜群の眺望が楽しめる温泉地が形成されています。
このように、地勢的に見ると、山梨には昔から数多くの温泉があったのではと思われがちですが、1895(明治28)年発行の『甲斐名湯案内誌』によれば、山梨県の8カ所にある25度以上の温泉のうち、富士川支流早川渓谷の西山温泉、峡南下部川渓谷の下部温泉、笛吹川渓谷の川浦温泉、塩ノ山山麓の塩山温泉、湯村山山麓の湯村温泉の五ヵ所が紹介されているだけでした。
その後、ラジウム含有量が世界一といわれる増富温泉が世に出され、さらに1961年に石和町で、ぶどう畑から高温の湯が湧き出ました。この石和温泉・春日居温泉の誕生が、山梨の温泉県としての幕開けとなりました。
もうひとつ、忘れてならないのが自然環境です。山や森林、渓谷、川など、周囲の景観も千差万別で、温泉からの眺望の素晴らしい。さらに、四季折々に違った表情を見せてくれる。とても大きな魅力です。悠久の時の流れの中で育まれた魅力ある数々の温泉を堪能し、至福の時間をお楽しみください。
富士火山の基盤の特性を反映した泉源相の温泉。1500万年前の海底火山活動の熱水鉱床を胚胎した基盤から湧出する高カルシウム・ナトリウム硫酸塩泉の富士河口湖温泉郷をはじめ、霊峰富士の景観を有する特色あるいくつもの温泉が楽しめます。
ドイツの地質学者ナウマンが、フォッサマグナと命名した大景観環境も有する温泉地。ラジウム含有量世界一と言われる増富温泉をはじめ、高ナトリウム炭酸水素塩泉、ミネラルを豊富に含む超高濃度温泉、単純温泉の尾白の湯など多彩です。


非火山性の深層熱水温泉帯、甲府盆地基盤断裂温泉帯、甲府北部火山性基盤断裂温泉帯などからなる地域。石和温泉や湯村温泉といった温泉郷を含む100か所以上で、多様性のある温泉が湧出しています。
新第三系グリーンタフなどの基盤断裂温泉帯や活断層がある地域。下部温泉、西山温泉をはじめとして、ナトリウム塩化物泉、ナトリウム・カルシウム硫酸塩泉、高アルカリ性ナトリウム・カルシウム塩化物泉など、様々な泉質が楽しめます。


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甲府市生まれ。東京大学大学院修了。大月短期大学地球科学研究室教授を経て現在名誉教授。温泉環境「温泉相」研究会会長。宝石貴金属協会名誉会長。
地質学の専門家であり、県内外の温泉研究の第一人者。同氏がかかわった温泉は60ヵ所におよび、その実績から「温泉の神様」とも呼ばれている。