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山県館外観

更新日:2021年8月12日

”音のない音”に包まれる!「信玄の隠し湯」【川浦温泉 山県館】(山梨市)

 武田信玄公の命により開発され、悠久の時を超えて今も脈々と流れる名湯川浦温泉。「川浦温泉山県館」は武田二十四将の重臣、山県三郎右兵衛尉昌景(やまがたさぶろううびょうえのじょうまさかげ)の15代目子孫が経営する、安政4年創業の老舗湯宿だ。
 塩山駅から送迎バス・タクシーで20分。町の喧騒を抜け、緑の色が濃くなる山梨市の奥座敷、笛吹川の渓谷沿いに川浦温泉山県館は佇む。敷地に一歩入ると、凛とした静かな空間が広がる。耳を澄ますと聞こえてくる、川のせせらぎや小鳥のさえずり、枝葉が風にそよぐ〝音のない音“。その音に包まれて、「敢えて何もしない」でゆっくり過ごす。この時代だからこそ、そういう楽しみ方もよいのでは。

奥深い伝統 500余年受け継がれた歴史物語

 川浦温泉の歴史は古く、今から遡ること500余年前の永禄4年。武田信玄公が『川浦の湯を整備せよ』と温泉開発を命じたことより始まる。この信玄公の書状[永禄4年(1561年)5月10日]は、現存する信玄公の唯一の文献で、恵林寺の宝物館に所蔵されており、山県館のロビーには写しが掲げてある。また、山県館に訪れるのであれば、先祖「山縣三郎右兵衛尉昌景」を知っておくのもよい。山県昌景は戦国時代から安土桃山時代に活躍し、信玄公と勝頼公に仕えた武将で、「武田二十四将」、「武田四天王」の一人に数えられた。信玄公亡き後、勝頼公に仕えた際には、織田信長の軍勢3万人に対し、山岳地帯の地形を利用し、6,000人の隊を指揮して撃退するなど、「武田に山県あり」と恐れられた武力と知力に優れた武将だ。ロビーにはその山県昌景が戦場で着用した武具の他、江戸中期徳川に仕えた絵師、狩野派「竹翁養渓(ちくおうようけい)」の信玄公と山縣昌景の肖像掛軸なども展示され、その歴史を感じることができる。

山県館鎧

信玄公書状

信玄公の下知状[永禄4年(1561年)5月10日]複写 

山県昌景

下知状 注釈

 

天然温泉源泉かけ流し100%を堪能

 山県館には、鎌倉時代に発見され、信玄公の命により開発された「川浦源泉」と、平成二年に発掘された「雷沢(いかづちさわ)源泉」の2本の源泉があり、山梨県屈指の豊富な湧出量と、世界的にも珍しいph9強の高アルカリ性の泉質を誇る。赤御影石を使用した「大浴場 薬師の湯」をはじめ、大小あわせて8箇所のお風呂があり、その他、部屋風呂やシャワー含めすべて源泉かけ流し100%が魅力である。数あるお風呂の中でも、特にオススメなのは、「信玄公岩風呂笛吹渓流雅之湯」だ。お風呂までは木造の趣のある渡り廊下が続き、新緑の木漏れ日と木のきしむ心地よい音を感じることができる。70段ある階段を下りていくと、伊勢神宮の宮大工が手掛けた、入母屋造り銅葺きの屋根の大露天風呂が広がる。 

信玄公岩風呂

渡り廊下階段

岩風呂へ続く渡り廊下

渡り廊下02

渡り廊下から見える「入母屋造銅葺き屋根」

 

岩風呂入母屋造

釘が使われてない入母屋造の天井

伊勢神宮の宮大工が手掛けた、入母屋造り銅葺きの屋根

その屋根を直径45cmをはじめとする11本の檜の丸柱が支え、重厚な雰囲気を醸しだしている。釘ひとつ使われていない天井を見上げながら湯船に浸かるのも、他ではできない楽しみ方だ。また、時間帯によって、男性と女性が入れ替わるほか、朝の早い時間帯のみ混浴にもなる。ご家族やカップルで広いお風呂に入りたいというニーズに応えたサービスだ。

 

 

岩風呂柱

柱の太さを測ってみた

 

薬師之湯

赤御影石を使用している「薬師之湯」内風呂

せせらぎの湯

大浴場「せせらぎの湯」内風呂

 

目をつむると聴こえる“音のない音“を愉しむ

 山県館の客室は、最上階5階にある、和室10畳2室と洋間ツインルーム、源泉かけ流し100%の露天風呂付客室「名月の間」をはじめ、当時皇太子であられた浩宮徳仁親王殿下が宿泊された貴賓室「白鳳」など、全32室。清流のようにお湯が溢れる客室の露天風呂に浸かると、一瞬、滝のように勢いよくお湯が溢れ出し、かけ流し100%を体感!目をつむり、耳を澄ますと聞こえる“音のない音”、しばし時が止まる感覚を味わえる。また、窓から見える景観も素晴らしく、季節のうつろいを楽しめる。また、時期、時間帯によっては、名月を堪能することもできる。

名月の間

 露天風呂付客室「名月の間」

名月の間ツインルーム

「名月の間」洋間ツインルーム

名月の間部屋風呂

「名月の間」露天風呂

 

貴賓室「白鳳」

貴賓室「白鳳」

貴賓室「扇」

貴賓室「扇」

 

山梨の旬を包んだ料理の数々

 自慢の食事は壁全体に富士山の絵が描かれた部屋で頂く。厳選された食材や新鮮な野菜など、地域ならではの旬が包まれた料理の数々を堪能。夕食は、食前酒の甲州ワインから始まり、富士渓流の山女魚の岩塩焼き、甲州牛のヒレ、サーロイン、カルビの味比べの他、名物の馬刺しや鮑の煮貝など、山梨ならではの食材も楽しむこともできる。食事にあわせるお酒には、山梨市のワイナリーのワインや県内産の日本酒などを扱うなど、地域に少しでも貢献ができるようにという配慮がうかがえる。山梨市内のワイナリーのワインであれば有料で持ち込みが可能で、ワインクーラーやグラス提供のサービスもある。

夕食

 

馬刺し

馬刺し

鮑の煮貝

鮑の煮貝

 

「生涯現役!地球が滅亡するまで山県館を続けたい!」 女将山県善行さんのお湯が沸くほど熱い思い

女将と若女将

左:女将 山縣 善行 さん  右:若女将 山縣 祐子 さん

 

山県館一筋62年、齢90歳の女将 山縣善行さんと、若女将 山縣祐子さんにお話を伺った。

 東京から2時間で大自然を満喫できるということで、山県館には毎年、たくさんのお客様がお見えになる。観光目的で来られている方や、宿から出ないでのんびり過ごされる方、ワーケーションで2、3泊される方など目的は様々だ。多様なニーズのお客様に満足をして頂くサービスを提供するのが宿泊業だが、そのニーズを汲んで対応するのは従業員。「従業員あっての山県館」という考えを大切にしている。また、自然から育まれた資源を大切に、歴史・伝統を守り、地域貢献、地域活性化を目指すことが、結果、お客様の満足に繋がると考えている。

 山県館の館内には、主に敷地内で育てた山野草などの活花が飾られている。女将と若女将はそれぞれ、華道の流派をお持ちで、毎日、花の姿が長続きする日の出前後に花を摘み取り、各所の花瓶に活けている。土地の自然環境で育まれた山野草を活けることで、おもてなしの心が表れている。それを見たお客様の心も洗われ、満足感に繋がっている。

 最後にこれからの山県館について伺った。山県館一筋62年、もう半世紀以上山県館を続けてこられたが、「これからも生涯現役を貫き、地球が滅亡するまで山県館を続けていきたい!」と激熱な女将さん。若女将も「私から言う事は何もありません」という表情をされ、みんな笑顔の中、インタビューを締めくくった。

 

活花

館内各所に飾られている活花

山野草01

敷地内で育てている山野草

取材・文/大藤

 

 

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施設情報

山県館外観

川浦温泉 山県館

山梨県山梨市三富川浦1140

電話番号:0553-39-2111

予約はコチラ(外部リンク)

 

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