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更新日:2019年12月27日

ギネス認定「世界最古の宿」千三百年の歴史を誇る秘境温泉 慶雲館

慶雲館の起源は、慶雲2年(西暦705年)、飛鳥時代に大化の改新を起こした藤原鎌足の長男である藤原真人が都より流浪してきた途中、岩の間より噴き出している湯を偶然に見つけて試しに入ってみたところ、体調が良くなり今までの疲れがすっかり治ってしまったと言います。その後、険しい道を開き、湯つぼを造るなどしてこの湯を広め、近隣の人々に入浴をさせたのが始まりだと伝えられております。
海外では1000年以上続いている企業は存在しないと言われている中、慶雲館は1300年もの間、53代に渡りこの温泉の恵みから温泉旅館ひとすじにずっと続けてこられました。
その結果、2011年にギネスワールドレコードで『世界で最も古い歴史を持つ宿』に認定されました。

開湯依頼1300有余年、一度も枯れることなく湧き続けた湯には徳川家康をはじめ、多くの武将、文人、都人に愛され今に至ります。
今回は山懐につつまれた秘湯、千三百余年の歴史を誇る憧れの宿「慶雲館」をご紹介いたします。

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▲世界最古の宿として認定されたギネスの認定書。

歴史だけではない、慶雲館の源泉もまたギネス級!

慶雲館と言えは、世界に誇るものはその歴史の古さだけではありません。
2005年が開湯1300年の記念の年だったため、先代の52代社長が温泉を掘ろうと言い出したそうです。先代社長は事前調査なしに「ここを掘ろう」と言って温泉を掘り始めました。絶対に温泉は出るという確信があったようです。700m位のところで湧出量が計れない程、温泉が自噴してきたそうです。これはとても奇跡的なことです。
通常、掘削温泉はモーターで汲み上げないと地上まで出てこないそうですが、ありがたいことにこの温泉は物凄い勢いで噴き出したとのことです。
こんな素晴らしい温泉を掘り当てた先代の社長は、自分自身を「平成の弘法大師」と呼んでいるそうです。

温泉の調査をしている専門家に調べてもらったところ、慶雲館のある西山温泉は、日本の東側にある北アメリカプレートと西側にあるユーラシアプレートとの境界にあり、糸魚川-静岡構造線の真上にあります。温泉というのは、地下のマグマの根地に海水又は雨水等が温められ、地上に湧出したものと考えられています。
分かりやすく言うと、この地下には大きなタンクがあり、そこに溜まった水がマグマの熱で温められています。慶雲館の温泉は、この何億年もかけてたまったプールに、今まで誰も手付かずだった所にピンポイントで穴をあけてしまった。そのためすごい勢いで自噴したのだと言います。
その湯量は毎分1600L、湯温は52度、世界でも類をみない良質な温泉で、これもまたギネス級だそうです。

 

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▲1分間で1600L自噴している温泉ですが、現在は減圧弁を使ってそのうちを400Lのみを館内で使用して、あとは使わないように抑え込んでいるそうです。
今回は特別に減圧弁を緩めて、自噴している様子を見せていただきました。
慶雲館の前を流れている早川に向かって勢いよく温泉が噴き出しています。

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▲また地中からも温泉が湧きだしています。この温泉につかった砂利が温泉成分により錆が出ています。

この源泉は、慶雲館の中で使用される給湯のすべてに使われています。
そのため、慶雲館ではボイラーが設置されていません。
温泉のお湯はもちろん、シャワーも給湯も、部屋の蛇口から出る水も全てこの源泉を使用しています。
つまり、館内の配管を通っている水は全てこの52度の源泉なので、通常の旅館と比べて室中がとても暖かいです。

現在、日本の中で源泉かけ流しと言えるのは温泉旅館全体の1%に過ぎないと言われています。そのうち、すべての浴槽が源泉かけ流しと言えるのは、その中でもさらに1%。
慶雲館の場合は、驚くことに各客室風呂、シャワー、給湯まで加水加温のない源泉が使用されています。
つまり蛇口をひねれば出てくる水は全て源泉。飲み水も源泉でした。
おそらくこれは日本唯一であると言われています。

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2014年山梨県を襲った大雪により、慶雲館のある西山温泉は3m近い積雪となりました。この時、山梨県自体が陸の孤島となりましたが、慶雲館がある早川町も大きな打撃を受け、1ヶ月半近く営業出来ない状態が続いたと言います。
道も遮断され、孤立状態となりましたが、自衛隊が救助に来た時には、慶雲館の周りには全く雪がなかったと言います。
これは、雪を掻くよりも、雪を溶かした方が早いと自噴する温泉にホースをつないで、一気に雪を溶かしたそうです。

 
ここだから味わえる、料理人が精魂込めて作る「深山会席」

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▲夕食は、とても繊細に作られたお料理が、一品出して出てきます。
和食が基本ですが、フレンチのシェフもいるとのことで、「温野菜の味噌フォンデュ仕立て」などフレンチ流にアレンジされたお料理も印象的でした。
慶雲館での料理は、山奥の旅館である為、山の幸、川の幸、里の幸がふんだんに使われています。極力海の幸は使わないようにしているとの事。
お造りも地元で採れる鱒や身延の湯葉が使われていました。

そして、めずらしいどんぐり麺。これはどんぐりの粉が練り込まれており、この地では仙人の不老食として食べられているそうです。

また「甲州牛溶岩焼き」はA5ランクの甲州牛を使っています。ここで使われている溶岩は、富士山の溶岩を使っているそうです。
この溶岩は富士山が世界遺産になったことにより、現在は採ることが出来ず、この溶岩を使っているのは慶雲館だけだそうです。
遠赤外線が出るそうで、じっくりと肉に火が通っていく様子が、目の前で楽しめます。
また和牛の下に敷かれていた葉には「慶雲館」の文字が切り抜かれていました。
食べ終わらないと見ることが出来ないこの文字。細かいところまで心配りがされており、料理人のこだわりを感じます。

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▲そして驚くことに、朝食もかなり豪華。
   
手作り豆腐や雑炊を始め、多くの品が並びます。
少量ずつ多品種な手の込んだ朝食です。

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慶雲館 五十三代目当主 代表取締役社長 川野健治郎 氏

 

朝食の後、慶雲館第53代の当主である川野社長にお話しを伺いました。
なぜ、交通の便もよくなく、不便なところで53代にもわたり温泉旅館を続けてこられたのか?そんな質問をしてみました。
その秘訣は、温泉旅館の主として、他の事に手を出さず「それ一本でやっていくこと」だそうです。
「儲けてお金が沢山あれば、規模を大きくしようとか、他の事を考えてしまう。それはその代では良いかもしれないが、次の代でその器が無ければそこで潰れてしまう。
またお金が無くなってくると、他に何かを探してしまう。
温泉の主であれば、お湯の事だけを考えていればよい。それ一本に絞ってやってきたからここまで長く続いた」そう語ります。
慶雲館は、先代の52代目までは、深沢家が代々その血縁で継承してきましたが、先代にはお子様がいなく、次の代をだれに継がせようか色々と悩まれたそうです。
川野社長は25歳の時に慶雲館に入社され、33年間この慶雲館を守ってこられました。
先代の社長も次の代を引き継げるのは、川野社長しかいないと心に決められていたそうです。本来ならば養子縁組をして代を継ぐのが一般的ですが、先代は「大事なのは1300年続いた慶雲館を続けていくこと。それが自分の使命だ」と語り、姓を変えることも求めてこなかったそうです。そんな先代の想いを受け継ぎ、53代目の当主となられた川野社長。
それは大きなプレッシャーだったと語ります。

先代はマスコミの取材を受けなかったそうですが、川野社長に変わってからは取材を受けことにしたそうです。
また外国人旅行者も意識をして、外国語を話せるスタッフを増やし、背の高い外国人用に2mの布団を50組作ったそうです。
また浴衣も特大サイズまで作り、外用スリッパも日本人標準サイズより大きなものを用意しているとのことです。
しかし、旅館の基本は旅籠。布団で寝ることや、浴衣を着ること、部屋に床の間を作ること、本来の日本旅館の形式は変えず、外国人の方が訪れてもリラックスできるよう準備を整えたいと考えているそうです。
世界中の人が慶雲館に行ってみたいと思う旅館にしたい、そんな想いを語ってくれました。

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慶雲館
〒409-2702
山梨県南巨摩郡早川町西山温泉
TEL:0556-48-2111
FAX:0556-48-2611

URL: http://www.keiunkan.co.jp(外部リンク)
e-mail: info@keiunkan.co.jp

<アクセス>
JR身延駅から「早川町乗り合いバス」で「西山温泉」まで(約1時間30分)
慶雲館のシャトルバスもあります。
シャトルバスは身延駅前から13:40頃に出発。事前のご予約が必要となります。

身延駅からタクシーを利用する場合は、15,000円程かかります。

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