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更新日:2022年1月27日
山梨県の偉人を何人知っているでしょうか。宝塚歌劇団と阪急電鉄を創設した小林一三、東京タワーや旧歌舞伎座の設計をした内藤多仲など、日本の近代化におおきな影響を与えた歴史的な偉人がこの山梨に関わっているということはご存じですか?県内出身の偉人や県外出身の偉人、様々な分野の偉人が山梨で過ごしていたという記録。県内の人でも「こんな人がいたのか…」「こんな近所に偉大な人が住んでいたのか…」と再発見となるような近代日本の成長に大きく関わった人物や資料を展示している、甲府駅からすぐ行ける県庁内の小さな博物館をご紹介します。この記事を見て今年の自由研究は県庁でやってみませんか?
甲府駅から歩いて約5分。そんな近さにある山梨県庁ですが、入ろうと思っても入っていいのかわからなくて、そう簡単に入ろうとは思えないですよね。実はこの県庁、誰でも気軽に入ることができるんです!
左が本館(内藤多仲による設計)、右が別館
山梨県庁は本館、別館、防災新館の3つに分かれていて、特に山梨県庁別館がスゴいんです!この山梨県庁別館は昭和5年(1930)に建てられ、山梨県の有形文化財の指定を受けています。
今回はこの山梨県庁別館の山梨近代人物館に短大生の女子2人で遊びに行きたいと思います!
見た目よりも大きい山梨県庁別館入口
映画「賭ケグルイ」のロケ地にも使われた階段
立派な玄関をくぐり抜けると、そこに現れるのは、映画「賭ケグルイ」にも使われた階段です。
昭和5年(1930)建築ということもあり、昭和初期のレトロな雰囲気を感じる立派な階段です!この山梨県庁別館は、ほかにも映画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」やテレビドラマ「イチケイのカラス」のロケ地にも使われていて、一度は似たような建物をテレビで見たことがあるのではないでしょうか?
階段を右手に登り、2階に上がるとすぐ左手に今回の目的地である「山梨近代人物館」の入口が目に入ります。今は新型コロナウイルスの影響により受付で検温とチェックシートの記入を済ませてからの入館です。
階段を登ってから見えるこの入口から入館できる
山梨近代人物館はおおむね明治時代から戦前までの50名の山梨に関わった偉人の展示がある山梨県庁別館内の小さな博物館です。
入るときには、山梨近代人物館のリーフレットをもらえます。入ってすぐの導入展示室には、プロジェクターやフォトフレームに山梨に関わった偉人の業績や名言が書かれたものが展示されていました。
展示されているフォトフレームの中には、宝塚歌劇団と阪急電鉄の創設者である小林一三や、東京タワーの設計をした内藤多仲、鉄道王と呼ばれた根津嘉一郎など県内出身の偉人の資料が展示されています。この場所は半年に1度、テーマと展示品を変えているそうです。今回は第14回展示「わたしたちのまちの先駆者たち―南アルプス・峡南地区―」というテーマで展示を行っていました。
ここにはスタッフが常駐していて、お願いをすると一般の方にも展示品や資料の説明をしてもらえます。
スタッフの方の説明は資料を読むだけではわからない、ここだけでしか聞けない詳しい説明を聞くことが出来ます!この施設で展示されている貴重な資料と一緒に、より詳しく山梨の偉人たちについての理解を深めることが出来ます。今回は女子2人もガイドをお願いしちゃいました!
導入展示室にあるプロジェクターでスタッフの方から説明を受けているところ
1人1人映像で動いている。とても珍しいものでビックリ!
ここでは、学校などの団体見学にも対応しています。事前の連絡は必要ですが、説明の内容を変更したり、説明の長さなどの要望にも応じてもらえます。
また、人物に関する詳しい情報が欲しい方は、展示ガイドブックが同階にある県民情報センターにて税込み510円(税込)で買うことが出来ます。山梨近代人物館の展示について、いつでもどこでもご覧になりたい方はぜひご購入を考えてみてはいかがでしょうか?
この場所には前述した展示品の他にも、様々な展示物があります。見学した中で私たち一番のおすすめは、明治35年(1902)笹子隧道建設の歴史を追う約4分のプロジェクションマッピングです!
笹子隧道をモチーフにした「ささじい」が笹子隧道の歴史について当時の映像とともに説明をしてくれます。子どもに向けての視点で作られているので、大人が見てもとても分かりやすく、面白い内容です。また、このプロジェクションマッピングの裏は笹子隧道を再現したレプリカになっていて真ん中にあるトンネルを実際にくぐることもできます!
オブジェクトの前に立つと映像が始まり、ささじいが説明してくれる
後ろは笹子隧道を再現。トンネルをくぐっちゃいました!
この他にも、当時の写真を元に再現した旧知事室やノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智博士の展示品が置かれている旧知事応接室があります。
この旧知事室にある絨毯には、ぶどうと県のシンボルマークが描かれた立派なものになっています。
旧知事室
旧知事応接室にある大村智博士の展示品
また、山梨近代人物館の外の通路には建設当時の県のたてものの写真が展示されていたり、1つ上の階の3階には当時、公式行事や来賓などのおもてなしに使っていた特別な部屋「正庁」が当時の姿で残っています。この正庁は、格式の高さを表す折り上げ格天井や、和洋融合の建築でとても歴史の重みを感じる場所です!
とても落ち着いた雰囲気なので、当時の儀式の舞台となったその重厚なたたずまいを自分の目で味わってみてください。
近代人物館の外の廊下には当時の写真が展示されている
歴史を感じる当時の姿を再現した正庁
今回紹介した山梨近代人物館はお子様の自由研究の題材にも適していますので、ぜひ甲府駅付近にお越しになった際には、お子様連れの方もそうでない方も、少し足を伸ばし県庁まで訪れこの「山梨近代人物館」で山梨の偉人について深く学び、山梨をもっと好きになっていってください。
取材・文/山梨県立産業技術短期大学校観光ビジネス課 三枝悠太、中島鈴、和光胡杜音
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施設情報
山梨近代人物館 山梨県甲府市丸の内1丁目6番1号 山梨県庁別館2階 電話番号:055-231-0988 開館時間:午前9時00分~午後5時00分 休館日:第2・第4火曜日及び年末年始 入館料:無料 |