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更新日:2022年10月26日
「山梨ヌーボー」とは、山梨県内で今年収穫されたぶどうで、主に白ワインとなる品種「甲州」または、主に赤ワインとなる品種「マスカット・ベーリーA」を使って醸造された新酒ワインのこと。毎年11月3日が解禁日とされています。
新酒ワインといえば「ボジョレー ヌーボー」が有名ですが、ボジョレーとはフランスのブルゴーニュ地方にある地名で、ヌーボーとは新酒という意味。つまりボジョレー地域でその年に収穫したぶどうを醸造した新酒ワインで、11月第3木曜日が解禁日と決まっております。
本場から輸入されたワインも味わい深いですが、やはり日本人なら日本国内で栽培されたぶどうで醸造されたワインを楽しみたいですね!
ハイランドリゾート ホテル&スパ 副支配人でシニアソムリエの 渡邊 浩章さんに、山梨ヌーボーを表現するキャッチフレーズを伺いました。
「今年、最初のカンパイをしよう!」
日本では古来より秋の収穫に感謝をする習慣があります。収穫を喜び、自然に感謝し、そして新しいものを味わう。そんな習慣です。
自然の恵みに思いを馳せながら、今年の新酒を楽しみましょう。
原料となるぶどうの出来具合について、甲州市勝沼町の「まるき葡萄酒」の塩島製造部長に伺いました。
「今年は粒が成長する梅雨の時期に雨量が少なかったため、全体的に小ぶりな房となりました。その後好天が続いたため、糖度も高く凝縮感があるぶどうに仕上がっております。8月後半から9月にかけ雨が続いたため、粒が割れる「玉割れ」が発生し収穫量は少し減ってしまいましたが、期待が持てる年だと思います。」とのこと。
また、11月3日の解禁に向けて、毎年甲州市で開催される「ワイン品質審査会」。
今年は10月25日に行われましたが、この審査員で勝沼ワイナリーマーケット新田商店の店主 新田正明さんに今年の山梨ヌーボーの出来を伺ったところ、酸味が際立ったフレッシュさが魅力的なワインに仕上がっているそうで、今年は特に甲州(白ワイン)がオススメだそうです。
日本ワインの代表的な産地である甲州市では、11月3日の解禁に向けて毎年、品質審査会を開催しており、その様子を見学してきました(2020年10月29日取材)。
会場に入ると、大きなホールにもかかわらず新酒らしいフレッシュな香りが漂い、鼻腔をくすぐります。審査員はシニアソムリエや山梨大学ワイン科学研究センターの研究者ら専門家8人。五感を研ぎ澄ませて1本1本を吟味する会場内はピリピリとした空気に包まれます。
甲州市ワイン品質審査会の様子
天井が高い会場内に響くのは、グラスを回す音、ワインを(口の中で空気と触れるように)すする音、結果を記入するペンを走らす音しかしない異様な空間ですが、ひととおりの審査がおわり審査員らが互いに感想を言い合う場面は、それまでの静寂だった会場が一変、和気あいあいとしたムードに変わります。
甲州市内のワイナリー14社から出品された合計29銘柄の審査を行い、基準を満たした26銘柄が「ぶどうの丘推奨ワイン」として、11月3日に甲州市勝沼ぶどうの丘に並ぶそうです。
「ぶどうの丘推奨ワイン」
このほか、笛吹市や甲斐市など県内各地のワイナリーからも山梨ヌーボーが同じ日に解禁となります。
※山梨ヌーボーが購入できるのは、11月3日以降になります。
山梨県内
新型コロナウイルス感染症のまん延により開催を見送られていた「山梨ヌーボーまつり」ですが、
今年は、11月3日の山梨ヌーボー解禁日に東京日比谷公園で開催するイベントを皮切りに、11月20日には山梨小瀬スポーツ公園で開催される県民の日記念行事で、県内36ワイナリー、60銘柄以上の新酒ワインの試飲・販売が行われます。
詳しくは、山梨県ワイン酒造組合ホームページをご覧ください。