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更新日:2019年9月30日

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老舗割烹「立よし」が作る山梨の郷土料理 「鳥もつ煮」や馬肉を使った料理をレトルト食品で

富士川町鰍沢に創業65年を迎える老舗料亭「割烹立よし」があります。
現在は料亭の板前さんが作る甲州の伝統料理をレトルト食品として販売し、お土産品としても広く重宝されています。
もともとは昭和25年に、今の若旦那である栁澤社長のおばあ様の代に小料理屋としてスタートしました。
戦争でご主人を亡くされたおばあ様のたつ子さんは、当時ホテルで女中として働いていており、そこで板前をしていたのが、のちに一緒に小料理屋を始めることとなったパートナーの吉沢さん。そのお二人の名前をとって、お店は「立よし」と名付けられたそうです。
その後、娘様御夫婦へと代が移り、かいじ国体があった昭和61年に宿泊もできる割烹旅館へと変わっていきました。

今回は、料亭から割烹旅館、そしてレトルト食品へと時代とともにその形を変え、山梨の郷土料理を今に伝える「割烹立よし」にお話しを伺ってきました。

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                                                                                  割烹立よし 代表取締役 栁澤 弘征氏

 

 

昔を振り返ると、割烹旅館をしていた当時は毎日のように宴会があったと、栁澤社長の子供の頃の記憶にあるようです。
時代が変わり、セレモニーホールが主流になってきたことにより法事が簡素化され、また鰍沢から企業の数が減っていき、接待や宴会の数は大きく減少していきました。
「このままここでお客様が来るのをじっと待っていても仕方がない」「人が集まる所へ『割烹立よし』の料理を持っていこう」そう考えた栁澤社長がまず始めたのがレトルト食品。最初は真空パックで冷蔵保存するタイプから始めたそうです。

 

加工業として保健所の許可がいることや、衛生管理の方法、殺菌処理の仕方など、最初は分からないことばかりでゼロからのスタートだったそうです。また設備投資も必要となり、レトルト食品を作るにあたって、いろいろと越えなければならない壁が目の前に立ちふさがりました。
「レトルト食品は邪道だ!」というお父様からの反対もあり、調理場も思うように使えず、調理場の端で黙々とひとりで作っていた時代もあるようです。
そうして色々と紆余曲折を経て出来上がった待望の商品が「桜肉の煮込み」。この桜肉の煮込みをお店で出すと、必ずお客様から白米が欲しいとの要望が多かったことから、ご飯の上に乗せるタイプの「うま丼の具」として新しく売り出しました。

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販売経路としては、今まで支えてくれたお客様や関わりある方々の協力を得て、地元の道の駅やお土産屋さんなどで販売を開始し、そこから数か月後には、高速道路の大きなサービスエリアでも採用されることになります。このあたりから徐々に手応えを感じ始めました。
ちょうどこの頃、某ゴルフ場のレストランでも「うま丼」が採用され、レストランを利用するお客様の9割が注文するヒット商品にもなりました。
こうして色々な方との縁が繋がり、徐々に販路が広がっていきました。

甲州を代表するB級グルメ 常温保存が可能な「甲州鳥もつ煮」

そして最大の転機となったのが2010年、「第5回B-1グランプリin厚木」で「甲州鳥もつ煮」がゴールドグランプリ(優勝)を獲得した年です。
それまでは「鳥もつ煮」は冷蔵や冷凍タイプのものは売られていました。しかし、「常温で保存できる鳥もつ煮があればきっとヒットする」、そう確信した栁澤社長は、常温で保存できる佃煮を参考にして、二ヵ月の歳月をかけて「鳥もつの佃煮」として商品化に成功します。
そこからネーミングは「鳥もつ煮」の方が分かりやすいという取引先からのアドバイスもあり、商品名を「鳥もつ煮」へと変更しました。これが大反響を呼びます。常温で保存できる「鳥もつ煮」はお土産品としても最適で、割烹料理屋の厨房の中で毎日フル稼働で作っても足りないくらいに売れ行きは絶好調だったそうです。

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しかし、このまま好調に伸びていくと思いきや、あの事件が起きます。2011.3.11東日本大震災。もともと道の駅やサービスエリアを中心に販売していたので、買っていただくお客様は観光客が大半でした。山梨県自体は震災の被害はそこまで大きくはありませんでしたが、この時は日本全体が観光という雰囲気ではなかったのは言うまでもありません。そしてその翌年の2012年には「笹子トンネル天井板落下事故」、2014年には山梨を襲った記録的な大雪と、山梨の観光に打撃を与える事件が立て続けに起きました。山梨へ通じる道が塞がれてしまったこの期間は、立よしにとっても売り上げが伸び悩んだ時期だったようです。

そういう厳しい時を耐えながらも地道に作り続けてきた結果、この「鳥もつ煮」は今では「立よし」を代表するヒット商品となりました。賞味期限も最初は2週間くらいでしたが試行錯誤を繰り返しながら、常温で3か月保存できるまで改良されてきています。

そして普通の鳥もつ煮は七味をかけて食べるのが一般的ですが、「割烹立よし」の鳥もつ煮は「山椒」がついています。
実際に私も食べてみましたが、「鳥もつ」の触感も味もレトルトだと言われなければ分からない程でした。山梨のお蕎麦屋さんなどでしか味わえないこの味が、常温保存が出来るレトルトタイプであれば、お土産としても喜ばれること間違いなしです。そしてこの「山椒」をかけることによって、七味よりも上品な味になっていると感じました。

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山梨の郷土料理 他では珍しい馬肉を使ったレトルト食品

立よしで馬肉を使った料理が多いのは、栁澤社長が子供の頃から食べ親しんだ食材だからだと言います。昔はモツ煮と言えば馬のモツ煮、すき焼きといえば馬肉だったと言います。
豚肉と値段が変わらない馬肉は、炒め物にも煮物にも良く使われていたそうです。

山梨では地名を指す時に「南巨摩郡」「中巨摩郡」「北巨摩郡」というように「巨摩(こま)」という言葉が使われています。これはこの地が戦国時代の良馬(駒)の産地であったことからこの名がつけられたと言われています。
そのため、山梨では馬肉を食べる文化が昔から生活に根付いたのだそうです。

他県では珍しい「馬もつの煮込み」も「立よし」の人気商品のひとつです。

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また、女性向けのパッケージとして「桜肉のワイン煮込み」があります。
それまでの「立よし」の商品は、男性目線の酒のつまみ系が多く、女性目線で山梨の新しい味を作ろうと試みたのがこの商品です。
山梨の名産であるワインと、山梨の馬肉を食べる文化を合わせて、馬肉の赤ワイン煮込みを作りました。おしゃれにバケットと合わせて食べられるタイプになっています。

野菜もお肉も、大きめにカットされてゴロっと入っています。
使っているワインも「甲斐ノワール」というスパイシーなワインを使っているとのこと。
見た目にも女性向けなお洒落なパッケージですが、食べてみるとほのかなワインの香りと野菜の出汁を感じるスープ、ボリュームのある馬肉はすっきりとしていながらも食べ応えのある仕上がりになっています。

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ワインの香りにとことんこだわり抜いた ワインカレー


もうひとつ、山梨の名産「ワイン」を使った料理としてお勧めしたいのが、「甲州ワイン ほろ酔いカレー」

栁澤社長ご自身が、カレーが大好きなようで、山梨の名産を使ったカレーを作りたいという思いから、このワインカレーを作ろうと思い立ちました。開発するにあたり、実際にワインと名の付くカレーはすべて食べてみたそうですが、本当にワインを感じるカレーはなかったというのが正直な感想だったそうです。
ワインカレーを開発するにあたり、最初はスパイスを調合するところから考えましたが、結果的にスパイスはワインの香りを消してしまうため、極力スパイスは抑えて、野菜をじっくり煮込むことにより、その味わいを出すことにしました。
そのため、立よしのワインカレーには、たくさんの野菜が使われています。
このカレーを作るにあたり、一番苦労した点はワインの量の調整だそうです。
レストランで食べる、最後の仕上げにワインを一振りしたようにワインの香りが立つカレーをレトルトで再現したい。そのためにはワインのアルコール分を残したままパッキングする必要があります。そのワインの量が微妙に多くなると、温めたときにアルコールの膨張率が高いので、袋が破裂することがあるそうです。そのギリギリのところでバランスをとることが難しいのだそうです。
また天気や気圧によっても変わり、台風が来ている時などは、袋が破裂しやすい傾向にあるとも言っておりました。
実際に私もこのカレーを食べてみました。レトルトカレーを湯煎で温めて、封を切った瞬間にワインの香りが立ちます。ここまでは事前にお話しを聞いて想定していたのですが、驚いたのは食べている最中も鼻からワインの香りが抜けていき、また冷めてもなおワインを感じるので、最後までしっかりとワインを感じなら食べられるカレーだと思います。
そしてカレーというより、むしろ極上の赤ワインシチューといった方が良いくらい、カレーのスパイスではなく野菜と肉のうまみとワインがマッチしているような感じでした。
アルコールが苦手な方には、少し強く感じるかもしれませんが、ここまでワインにこだわって作られているカレーに私は他で出会ったことがありません。
そういう意味でパンチが効いていて、「桜肉のワイン煮込み」とは全く違うインパクトがありました。
このカレーはパンにも合うと思いますが、隠し味にお醤油が使われているようなので、ご飯にも合いますよ。
バリエーションも「馬肉」「甲州地鶏」「甲州富士桜ポーク」の3種類が用意されています。
ワインの香りにとことんこだわり抜いたカレーです。是非一度ご賞味下さい。

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「山梨の新しい郷土料理を作りたい」そんな想いから誕生した「甲州新味」シリーズ

甲州の珍味として名高い「鮑の煮貝」。
今では鮑は高級品のため、贈答用として使われているイメージが強いですが、ひと昔前までは寄り合いの席などでもスライスしてお皿に盛って出されるくらい、よく食べられているものだったそうです。
海に面していない山梨の人にとって、鮑などの海産品はとても憧れの強いものでした。
駿河湾で採れた鮑を山梨に運ぶため、一度醤油漬けにします。ちょうど山梨に着く頃、鮑に醤油の味が染みて美味しくなり、これが「鮑の煮貝」の発祥だと言われています。
この鮑の煮貝を作るときに余らせてしまうのが「鮑の肝」。
これを使って山梨の新しい郷土料理は作れないかと考え、鮑の肝から出汁を取り煮卵を作りました。こうして生み出されたものが「あわびのきもっ玉」です。
出汁が聞いているので、お酒のあてにも最適ですし、残っただし汁は炊き込みご飯にしても味が染みていて美味しくなるそうです。

 

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この他にも、「葡萄を使ったカレーを作ってみたい!」、「静岡や長野など近隣の県とコラボして商品を作ってみたい!」「ジビエにも挑戦したい!」などなど・・
栁澤社長の中では、地元の食材を使ってまだまだ作りたいものが沢山あるようです。

「料亭」という枠を超えて、今では山梨の郷土料理を日本中に広げ、仕掛けていくパイオニア的な存在になっている「割烹立よし」。
これからどんな新しい山梨の名産が誕生するか、今から楽しみですね。

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<商品紹介>   

 

 

Tatsuyoshi 2019-20(外部リンク)

1. 割烹立よし 甲州ワイン ほろ酔いカレー(豚肉/ホース/チキン各1)(外部リンク)
 
独自製法でワインのアルコール分を残し、芳醇な香りを楽しめる『ワインカレー』
富士桜ポーク、馬肉、甲州地鶏と山梨県産ワインが入った大人のカレーです。

https://store.shopping.yahoo.co.jp/yamanashi-online/curry-set-tatsuyoshi.html(外部リンク)

Tatsuyoshi 2019-21(外部リンク)

2. 割烹立よし とりもつ煮キンカン入り140g 3個セット
(外部リンク)
 
B級グルメ選手権で優勝した あの『鳥もつ煮』が、家呑み用レトルトパックになって登場。
日本酒、焼酎、白ごはんなどをお供に、いつまでも食べ続けられそうな味の良さです。

https://store.shopping.yahoo.co.jp/yamanashi-online/souzai-tatsuyoshi-motsukin110x3.html(外部リンク)

 

 

 

Tatsuyoshi 2019-22(外部リンク)

3. 割烹立よし 桜肉の赤ワイン煮180g 2個セット(外部リンク)
 
ジビエ食材として女性の間で評判の桜肉を、山梨県産赤ワインで柔らか~く煮込みました。
ワインの風味とともに、見た目も華やかなメインディッシュとして美味しくいただけます。
https://store.shopping.yahoo.co.jp/yamanashi-online/souzai-tatsuyoshi-umawine180x2.html(外部リンク)

Tatsuyoshi 2019-23(外部リンク)

4. 割烹立よし 馬丼の具と馬もつの煮込みセット(外部リンク)
 
低カロリー高たんぱくで注目の馬肉(桜肉)は、山梨県では古くから食されている郷土料理の食材です。
ちょっと贅沢な食卓や晩酌のひと時を、やまなしグルメと共にお過ごしください。

https://store.shopping.yahoo.co.jp/yamanashi-online/souzai-tatsuyoshi-dongumotset.html(外部リンク)


<施設紹介>

 

Related facility

割烹立よし

tatsuyoshi 2019-24

施設名が入ります

〒400-0601 山梨県南巨摩郡富士川町鰍沢1232

電話: 0556-22-0427 

施設の詳細を見る(外部リンク)

 

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