ここから本文です。

更新日:2026年1月20日

甲府城の内堀

【甲府城連載企画 vol.12】逆さ富士だけじゃない!甲府城にも“逆さ”がある~内堀~

2024年にスタートした、甲府城の奥深い魅力を紐解く連載企画。今回は、水面に映り込む「逆さ石垣」の絶景スポットから、石垣に隠された意外な秘密まで、内堀の魅力を徹底解説します。これを知れば、いつもの甲府城歩きがもっと楽しくなるはず!

甲府城について紹介するのは・・・

プロフィール写真

山梨県埋蔵文化財センター

主任・文化財主事
ももちゃん

横浜出身。就職のため山梨県へ移住。大学では縄文時代の考古学を勉強したけど、現在は甲府城担当として日々石垣とにらめっこ中。気づけば30代、気づけば石垣沼。大きな石にトキメキを感じる。

「逆さ富士」といえば、富士五湖に映る富士山の美しい姿。でも、甲府城にも“逆さ”の絶景があるんです!それが、お堀の水面に映る「逆さ石垣」。歴史と自然が織りなす、ちょっと特別な景色をご紹介します。

内堀はこちら
今回のテーマ・内堀はこちら

1 内堀ってなに?

お堀は、お城を守るための防御施設であると同時に、お城や城下町のエリアを区画する役割があります。甲府城下町では、3つのお堀が巡っていました。

  • お城本体を囲む内堀
  • 武士たちの居住エリアを囲む二の堀
  • 町人たちの居住・商業エリアを囲む三の堀

これらは廃城後に埋め立てられ、ほとんどが姿を隠してしまいました。

今回紹介するのは内堀!オススメの石垣ビュースポットは数あれど、私が大好きな石垣と一緒に楽しめるのはやっぱりここ。甲府城南側にちょっとだけ残る内堀です。

内堀に架かる遊亀橋は、いまや甲府城南側のメインゲート的な存在。でも、もともと江戸時代にはなかった橋で、近代に公園として整備されたときに造られたものです。

「舞鶴城公園」と遊亀橋
「舞鶴城公園」と遊亀橋 ツルカメで縁起良し!

2 伝統技術が支える石垣のヒミツ

橋の向こうに見えるのは、甲府城自慢の石垣!石のスキマで猫がお昼寝していることも。あったかそう!

橋の左側の石垣に注目
橋の左側の石垣に注目

石垣ウォッチャーの目は石のスキマの猫も逃さない
石垣ウォッチャーの目は石のスキマの猫も逃さない

お堀の向こう側から、猫を見つけるつもりでお堀沿いをずっと歩いてみようとすると…

下の方に穴があいているところがあります。

甲府城12_05
石垣に穴が!?

石が抜け落ちちゃったわけではありません。これは、暗渠(あんきょ)という、石垣を通して城内の水を外に排水する溝の出口です。大雨の際にはここから水が出てくる様子を見ることができます。これも、内堀ならではの光景かもしれません。

暗渠から水が出ている様子
暗渠から水が出ている様子

猫が出てくることも!?
猫が出てくることも!?

今度は、石垣の雰囲気を見てみましょう。

遊亀橋から西へ歩いていくと、途中から石垣の雰囲気が変わるところがあります。気付いたかな?

真ん中辺りを境に石垣の雰囲気がちがう
真ん中辺りを境に石垣の雰囲気がちがうね

右は少し隙間があるけど、左はぴっちり詰まっています。この詰まっている部分の石垣は、平成初期の大修理で直された部分です。

その時の発掘で分かったのは、地盤が弱い場所を補強するために「胴木(どうぎ)」という丸太を組んで、その上に石を積むという伝統的な土木技術。発掘当時の写真を見ると、そのスケールの大きさに驚きます。

胴木
しかもこの丸太、直径が30cmくらい!

内堀沿いに西へ歩くと、城内に続くスロープに突き当たります。このスロープは江戸時代にはなく、本来の石垣はさらに奥へ続いていました。

左側が行き止まりのスロープ
左側が行き止まりのスロープ

3 本来の内堀の範囲

その先にあるのが、復元された鍛冶曲輪門脇の石垣。実は、この角で石垣が南へ折れる構造になっていたのです。南へ続く石垣はほとんど壊されてしまいましたが、部分的に今も地上に石垣が残っているところがあります。

甲府城12_11
もともとの石垣と内堀の範囲

部分的に残っている南広場の石垣
部分的に残っている南広場の石垣

近年、その周りを発掘しており、ここでも胴木が見つかりました。

根元だけ残った石垣と胴木

わかりにくいかもしれないけど、根元だけ残った石垣と胴木

石垣と胴木

図にしてみるとこんな感じ

4 水面に映る“逆さ石垣”と季節の絶景

風がない日にカメラを構えると、水面に石垣と白い漆喰塀が映り込みます。これが「逆さ石垣」!

石垣と漆喰塀
石垣と漆喰塀のサンドイッチや~

桜の季節は満開の桜と石垣のコラボ!
桜の季節は満開の桜と石垣のコラボ!

西側から撮ると愛宕山や周りの建物も一緒に写って、さらに映え!
西側から撮ると愛宕山や周りの建物も一緒に写って、さらに映え!

夏の発掘中、ゲリラ豪雨のあとに二重の虹が出たこともありました。江戸時代の甲府城、近代の遊亀橋、そして虹。まるで時代をつなぐ架け橋みたいな景色です。こんな素敵な景色を見せられたら、天気に文句も言えません。むしろありがとう。

甲府城と虹
運が良ければ虹も!

5 甲府城は何度でも訪れたい

甲府城は、訪れるたびに新しい発見があります。内堀に映る空、季節ごとに変わる風景、そして石垣の力強さ。歴史と自然が交わるこの場所は、何度訪れても驚きと感動を与えてくれます。甲府城を歩くときは、ぜひ内堀まで足を運んでみてください。水面に映る“逆さ石垣”は、ここでしか見られない特別な景色です。カメラを構えたその瞬間、きっとあなたの旅がもっと特別なものになります。

 

Related facility

施設情報

舞鶴城公園

史跡甲府城跡(舞鶴城公園)

山梨県甲府市丸の内1-5-4 [Google Map]

施設の詳細を見る

あわせて読みたい。これを読めばあなたも行きたくなる!甲府城連載企画

その他の特集を見るother

ホーム > 特集 > 【甲府城連載企画 vol.12】逆さ富士だけじゃない!甲府城にも“逆さ”がある~内堀~