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インタビュー 佐藤優香 リオオリンピック代表 佐藤優香さんが語る“山梨を走る”おもしろさ

山梨の自然が最高の練習環境。リオオリンピック日本代表のトライアスロン選手
佐藤優香さんが語る“山梨を走る”おもしろさ トライアスロンインタビュー 佐藤優香 トライアスロン選手 トーシンパートナーズ NTT東日本・NTT西日本 チームケンズ所属

初出場の大会は、ママチャリで初優勝

佐藤さん自身について教えてください。どんな子どもでしたか?

小さい頃は自我が強く、遊びも1番目にやらないと気が済まないほど負けん気が強かったですね。2つ上に兄がいるんですが、テレビのチャンネルもいつも取り合っていました。

トライアスロンを始めたきっかけは?

3歳の頃から兄と一緒に水泳をやっていて、小学生になると母にすすめられて地域のマラソン大会などによく出ていました。9歳の時、母が陸上雑誌でたまたま地元でトライアスロン大会が開かれることを知って、それに出て優勝したのがきっかけです。マラソンも水泳も得意でしたけど、自転車はやったことがなくて、ママチャリで出たんですよ。小学生低学年部で10人ぐらい出場していましたが、周りはみんなマウンテンバイクで、ママチャリは私一人でした(笑)。
その1ヶ月後にさらに全国大会に出場したんですが、そこでも優勝しました。さすがにママチャリはないなということでマウンテンバイクを買ってもらったんですが、全国に出てくる選手はみんなロードレーサーでした(笑)。

初挑戦で全国大会優勝とはすごいですね。そこからトライアスロンに夢中になったんですか?

とにかく初めての挑戦だったので、優勝しましたけど、それより「私、トライアスロンできるんだ」って思ったのを覚えています。それと友達に全国で優勝したことを自慢できるのがうれしくて。でも友達はトライアスロンを知らないから、期待していたほどの反応はありませんでしたね。
中学からは土、日だけチームの合宿に参加していましたが、トライアスロンと水泳とマラソン、どれをやろうかまだ迷っていましたね。

 

リオでオリンピックの素晴らしさを実感

トライアスロンを本格的にやろうと決めたのはいつですか?どんな思いからですか?

中学3年の時に全国大会で年下の子に負けたことがあったんです。父も母も特にスポーツに熱心なわけではなく、スポーツ一家でもありませんが、その時は父がすごく怒ったんです。「中途半端なことはやらせられない」って。ちょうどその頃、私は反抗期で練習にもあまり打ち込めてなくて。父から本気で怒られて「はっきりしろ」と言われたことで、自分の中でトライアスロンでいこうと決めたんです。それが夏のことで、高校はトライアスロンができることを第一に進学先を決めました。

トライアスロンはとても過酷なスポーツだと思いますが、どんなところがおもしろさや魅力ですか?

スイム、バイク、ランの3種目あるのでどれも楽しめて、最後まで何があるかわからないのがおもしろいですね。練習は1日必ず3種目をしていて、朝スイム、昼にバイクとランニング、その他に補強トレーニングなど、1日8時間以上は取り組んでいます。忍耐スポーツだけに努力した分だけ結果がでるものだと感じていて、これまで「リオオリンピックに出たい」というその思いでキツイ練習もやってきました。練習がキツイぶんだけ、レースは本当に楽しんでいますよ。

リオデジャネイロオリンピックでは日本勢最上位の15位になりましたが、リオのレースも楽しみましたか?

すごく楽しみました。オリンピックの舞台ってこんなに素晴らしいんだって思いましたね。レース会場と自分が一体化して、空気も海も風も透き通っていたように感じました。
レース前は緊張するタイプですが、オリンピックは全く緊張しなかったんです。リオに出るために練習でもレースでも積み上げてきたものを、ここで発揮するだけだという思いしかなかったですね。今までの中で一番堂々としていたと思います。8位以内を目標にしていたので結果は悔しかったですが、レース展開としては自分の力を最大限出せたと思います。

リオで活きた、起伏激しい山梨での練習

山梨との出会いは、チームが拠点を東京から山梨に移したことからだそうですね。

3年ぐらい前に、東京を拠点に活動していたチームが山梨に移るということになり、その時が初めての山梨でした。それまでずっと東京だったので不安もありましたが、来てみたら最高の環境でした。バイクにしてもランにしても、どこにいっても起伏の激しい道があって、車でちょっといけば専用のコースもいくつもあり、とても恵まれています。起伏の激しいコースに慣れるまでは体がしんどかったんですが、今はそのコースが楽しくて。リオのバイクのコースは急な上り坂がひとつのポイントでしたが、山梨のコースがリオ対策になりましたね。
いろんな選手に山梨のこの素晴らしい練習環境を体感してほしいって思います。でも自分たちのチームだけのものにしておきたいので、内緒です(笑)。

山梨のなかでも気に入っているコースは?

バイクなら、よく練習にいく右左口(うばぐち)の周回コースが10㎞でちょうどいいですね。マラソンではいつも走っている小瀬競技場の周りが好きです。水泳は山梨学院大学で泳がせてもらうことも多く、水泳選手と一緒に練習できるのが刺激になっています。

一般の人がトライアスロンを楽しむなら、どんな取り組み方がおすすめですか?

勝ちたいという思いよりも、楽しもうという気持ちで入った方が取り組みやすいと思います。水泳から始めるのがいいのでは。海で泳げるかがカギになりますからね。プールでしっかり泳げるようになると、海でも泳げますよ。
バイクを楽しむなら西湖がおすすめです。信号がなく、車も比較的通らないので集中して走れます。ぜひ楽しんでみてください。

めざすは東京オリンピックで金メダル!!

最後にこれからの目標は?

東京オリンピックで金メダルをとることです!私にとって東京オリンピック有望選手枠として選ばれたリオは、東京につなげるための大事な経験であり、リオで戦ったことが大きな自信になっています。リオに出て、「またオリンピックの舞台に立ちたい」と強く思いました。
東京オリンピックに向かって1年1年着実に力をつけていきたいです。自分が進化しても周りも進化しているので決して簡単なことではありませんが、まずは来シーズン、世界ランキング10位以内を狙います。そこからさらに進化を続け、東京へとつなげていたいきと思います。
東京オリンピックはチームのメンバーと一緒に出たいです。トライアスロンは自分との戦いなのでキツイ時もありますが、一緒にがんばっている仲間がいて、厳しく温かく指導してくれる監督がいるから乗り越えられてきています。自分が強くなることで、後輩たちも強くなれると思うので、より進化して後輩たちを引っ張っていきたいと思います。

佐藤優香プロフィール

1992年、千葉県佐倉市出身。トーシンパートナーズ・NTT東日本・NTT西日本・チームケンズ所属。9歳の時に母親にすすめられて初出場した地元のトライアスロン大会で優勝し、全国大会でも優勝。高校から本格的にトライアスロンに取り組み、2010年のシンガポールユースオリンピックで金メダルを獲得。2016年のリオデジャネイロオリンピックでは日本勢最高の15位。山梨を拠点とするチームに所属し、山梨の地で練習に取り組んでいる。

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